人工妊娠中絶の方法

人工妊娠中絶の方法

一般的な情報

人工妊娠中絶は、各国の法や規制に従って運用されています。
日本では、人工妊娠中絶は、母体保護法という法律を順守して行われなければいけません。人工妊娠中絶を行うのが認められているのは母体保護法指定医師のみです。

人工妊娠中絶を行う場合、最初に妊娠週数を確認するための医師の診察が必要です。その際に、以下のような情報も提供されます。

  • 人工妊娠中絶の流れ
  • 起こり得る症状や副作用(例:月経痛のような下腹部痛、痛み、吐き気、嘔吐、出血など)
  • 中絶の手順にかかる時間や日数、方法に関連するリスクや合併症
  • 痛みを抑える方法
  • フォローアップの来院
  • 避妊のアドバイスまたは避妊方法の変更

人工妊娠中絶は医療行為なので、リスクや合併症を伴う可能性があります。医師に相談し、必要な情報を得るようにしましょう。日本でこの行為を行うことができるのは、母体保護法指定医師のみです。

人工妊娠中絶には、薬剤による中絶と、麻酔下で 手術による中絶の、二つの方法があります。

人工妊娠中絶の方法

一般的な情報

人工妊娠中絶は、各国の法や規制に従って運用されています。
日本では、人工妊娠中絶は、母体保護法という法律を順守して行われなければいけません。人工妊娠中絶を行うのが認められているのは母体保護法指定医師のみです。

人工妊娠中絶を行う場合、最初に妊娠週数を確認するための医師の診察が必要です。その際に、以下のような情報も提供されます。

  • 人工妊娠中絶の流れ
  • 起こり得る症状や副作用(例:月経痛のような下腹部痛、痛み、吐き気、嘔吐、出血など)
  • 中絶の手順にかかる時間や日数、方法に関連するリスクや合併症
  • 痛みを抑える方法
  • フォローアップの来院
  • 避妊のアドバイスまたは避妊方法の変更

人工妊娠中絶は医療行為なので、リスクや合併症を伴う可能性があります。医師に相談し、必要な情報を得るようにしましょう。日本でこの行為を行うことができるのは、母体保護法指定医師のみです。

人工妊娠中絶には、薬剤による中絶と、麻酔下で 手術による中絶の、二つの方法があります。

薬剤による中絶

薬剤による中絶は、相乗的に作用する2種類の薬を36〜48時間の間隔で使用することで誘発されます。妊娠の確定と妊娠週数を確認し、3段階の手順で行われます。

有害事象や合併症が起きた場合の連絡先を知っておく必要があります。
すべての医療機関が薬剤による中絶を行っているわけではありません。母体保護法指定医師のいる医療機関にご相談ください。

日本においては、この薬の適切な使用体制のあり方が確立されたと判断されるまでの当分の間、2剤目(ミソプロストール)投与後から、入院又は外来であっても胎嚢が排出されるまで院内待機が必須となります。

1剤目の薬(ミフェプリストン)

母体保護法指定医師の確認の下で使用します。一般的に投薬後は通常の生活に戻ることができます。
下腹部痛、出血、吐き気、嘔吐、下痢、などの副作用が起こることがあります。
副作用、投与を受けられない条件、注意すべきことなど詳しく知りたい方は、薬の添付文書を参照してください。

* 1剤目のみで胎嚢排出が起こる場合もあります。
* 2剤目投与については、医師の指示に従ってください。

2剤目の薬(ミソプロストール)
(36~48時間後)

母体保護法指定医師の確認の下で使用します。
投薬後数時間で、出血や痛みが起こる可能性があります。鎮痛剤を使用した方が良いです。鎮痛剤を使用しても強い痛みが続く場合は、処方を受けた医療機関に連絡してください。何か問題が発生した場合、どこに連絡すればよいか、どこに行けばよいか、事前に医師から説明を受けて下さい。
多くの場合、胎嚢排出は2剤目の薬の投薬後4時間以内に起こりますが、24時間以上後に起こることもあります。

*2剤目投与から胎嚢排出までは院内待機が必須です。
*何か問題があれば、すぐに医師や看護師に伝え、指示に
従ってください。

経過観察
(医師の指示に従って受診)

このフォローアップは必須で、2剤目の薬から遅くとも1週間を目途に、人工妊娠中絶が完了したことを確認するために行います。医師が、超音波検査を行い、必要に応じて尿・血液検査なども行います。
人工妊娠中絶が完了していない場合には、手術による方法が考慮されます。
人工妊娠中絶後は、月経周期が再開し、妊娠できる状態に戻ります。そのため、確実な避妊法を続けることが大切です。あなたに合った避妊方法を医師と相談してください。

*胎嚢排出後の経過観察などのための来院は医師の指示に従ってください。

1剤目の薬(ミフェプリストン)

母体保護法指定医師の確認の下で使用します。一般的に投薬後は通常の生活に戻ることができます。
下腹部痛、出血、吐き気、嘔吐、下痢、などの副作用が起こることがあります。
副作用、投与を受けられない条件、注意すべきことなど詳しく知りたい方は、薬の添付文書を参照してください。

* 1剤目のみで胎嚢排出が起こる場合もあります。
* 2剤目投与については、医師の指示に従ってください。

2剤目の薬(ミソプロストール)
(36~48時間後)

母体保護法指定医師の確認の下で使用します。
投薬後数時間で、出血や痛みが起こる可能性があります。鎮痛剤を使用した方が良いです。鎮痛剤を使用しても強い痛みが続く場合は、処方を受けた医療機関に連絡してください。何か問題が発生した場合、どこに連絡すればよいか、どこに行けばよいか、事前に医師から説明を受けて下さい。

多くの場合、胎嚢排出は2剤目の薬の投薬後4時間以内に起こりますが、24時間以上後に起こることもあります。

*2剤目投与から胎嚢排出までは院内待機が必須です。
*何か問題があれば、すぐに医師や看護師に伝え、指示に
従ってください。

経過観察
(医師の指示に従って受診)

このフォローアップは必須で、2剤目の薬から遅くとも1週間を目途に、人工妊娠中絶が完了したことを確認するために行います。医師が、超音波検査を行い、必要に応じて尿・血液検査なども行います。
人工妊娠中絶が完了していない場合には、手術による方法が考慮されます。
人工妊娠中絶後は、月経周期が再開し、妊娠できる状態に戻ります。そのため、確実な避妊法を続けることが大切です。あなたに合った避妊方法を医師と相談してください。

*胎嚢排出後の経過観察などのための来院は医師の指示に従ってください。

人工妊娠中絶の方法

人工妊娠中絶の手順を進めるとき、あなたは心理的サポートが必要と思うかもしれません。

持病や内服薬があって薬剤による中絶が行えない可能性がないか、薬剤による方法の副作用、注意事項などについては、薬の添付文書を参照したり医師に確認してください。医学的には、薬剤による中絶は自然流産の過程と類似しており、ある程度の出血や痛みは中絶の過程の一部であると考えてください。

薬の副作用が起こる可能性もあります。そのため、すべての医療行為と同様に注意が必要です。発熱・寒気・体のだるさ、腟からの異常な分泌物などが続くときや、鎮痛剤を使用しても強い痛みが継続する場合、出血量が「非常に多い」とき(目安として夜用の生理用ナプキンを1時間に2回以上交換するような出血が2時間以上続く場合)または多量の出血が長時間続く場合には、すぐに薬の処方を受けた医療機関に連絡してください。

人工妊娠中絶の方法

人工妊娠中絶の手順を進めるとき、あなたは心理的サポートが必要と思うかもしれません。

持病や内服薬があって薬剤による中絶が行えない可能性がないか、薬剤による方法の副作用、注意事項などについては、薬の添付文書を参照したり医師に確認してください。医学的には、薬剤による中絶は自然流産の過程と類似しており、ある程度の出血や痛みは中絶の過程の一部であると考えてください。

薬の副作用が起こる可能性もあります。そのため、すべての医療行為と同様に注意が必要です。発熱・寒気・体のだるさ、腟からの異常な分泌物などが続くときや、鎮痛剤を使用しても強い痛みが継続する場合、出血量が「非常に多い」とき(目安として夜用の生理用ナプキンを1時間に2回以上交換するような出血が2時間以上続く場合)または多量の出血が長時間続く場合には、すぐに薬の処方を受けた医療機関に連絡してください。

手術による人工妊娠中絶

手術による中絶は、医療機器を用いた吸引法(子宮内の内容物を吸引する方法)あるいは掻爬法(子宮内の内容物を金属製の器具でかき出す)で、麻酔下で行われます。医療機関の手術室において母体保護法指定医師が行います。

医療機関によって異なりますが、妊娠の確定と妊娠週数を確認した後に手術を行う2段階の手順で行われます。

手術による方法

手術では、局所麻酔または全身麻酔の下に、吸引法、あるいは掻爬法で行われます。

医師は、あなたの既往歴・持病・内服薬などをもとに、麻酔薬の禁忌となりうるものを事前に除外します。また、手術に先立ち、子宮頸管を柔らかくしたり広げるための前処置を行います。感染症の合併症を予防するため抗生物質の予防薬を処方されることもあります。
中絶手術は10分~20分ほどで終わります。その後、回復室に移動し、経過観察を行います。麻酔の種類に関わらず、回復には一般的に2~3時間必要です。術後の経過が問題ない場合は当日帰宅することができます。
妊娠中絶手術後の数日間は、出血や痛みを感じることがあります。これらの症状は、手術に伴うものであり、必ずしも医師の診察を受ける必要はありません。通常、出血や痛みは徐々に軽減していきます。

経過観察
(14~21日後)

このフォローアップは必須で、人工妊娠中絶が完了したことを確認するために行います。医師が、超音波検査を行い、必要に応じて尿・血液検査なども行います。
人工妊娠中絶後は、月経周期が再開し、妊娠できる状態に戻ります。そのため、確実な避妊法を続けることが大切です。あなたに合った避妊方法を医師と相談してください。

手術による方法

手術では、局所麻酔または全身麻酔の下に、吸引法、あるいは掻爬法で行われます。

医師は、あなたの既往歴・持病・内服薬などをもとに、麻酔薬の禁忌となりうるものを事前に除外します。また、手術に先立ち、子宮頸管を柔らかくしたり広げるための前処置を行います。感染症の合併症を予防するため抗生物質の予防薬を処方されることもあります。
中絶手術は10分~20分ほどで終わります。その後、回復室に移動し、経過観察を行います。麻酔の種類に関わらず、回復には一般的に2~3時間必要です。術後の経過が問題ない場合は当日帰宅することができます。
妊娠中絶手術後の数日間は、出血や痛みを感じることがあります。これらの症状は、手術に伴うものであり、必ずしも医師の診察を受ける必要はありません。通常、出血や痛みは徐々に軽減していきます。

経過観察
(14~21日後)

このフォローアップは必須で、人工妊娠中絶が完了したことを確認するために行います。医師が、超音波検査を行い、必要に応じて尿・血液検査なども行います。
人工妊娠中絶後は、月経周期が再開し、妊娠できる状態に戻ります。そのため、確実な避妊法を続けることが大切です。あなたに合った避妊方法を医師と相談してください。

中絶手術は侵襲的な処置であり、痛みや出血などの副作用はその過程の一部であると考えてください。ただし、人によって程度は違うかもしれません。

まれに、多量の出血、子宮の損傷、感染症、麻酔に関連する合併症などが起こることがあります。そのため、発熱、著しい出血、強い腹痛、倦怠感などがある場合は、必ず医師に連絡してください。

2つの人工妊娠中絶方法の比較

方法 薬剤による中絶 手術による中絶
実施者 母体保護法指定医師 母体保護法指定医師
妊娠週数 ~妊娠9週0日まで ~妊娠12週未満まで注)
所要時間 数日 10〜20分
来院回数 3~4回程度 2~3回程度
追加の薬 ほとんどの場合、鎮痛剤 局所麻酔または全身麻酔
鎮痛剤
出血 予測やコントロールが困難。通常、月経より少し多く、少し長い 総出血量は薬剤による方法と変わらないが、術後の出血日数は少ない
副作用*

/合併症

下腹部の痛み、吐き気、嘔吐や下痢、

多量の出血、感染症、

妊娠の継続

手術後の下腹部の痛み、

吐き気、嘔吐、

子宮の損傷、感染症、

麻酔による合併症

生殖能力への影響 なし 正しく行われ、合併症がない場合、なし。
避妊 効果的な方法がすぐに必要 効果的な方法がすぐに必要

注)一般的に妊娠12週~妊娠21週6日までの中期中絶は人工的に陣痛を起こす分娩の方式をとる。

*その他の副作用が起こる可能性がある。(薬の添付文書を参照すること)

このページの主な引用元
Fiala C et al.Early Medical Abortion, a practical guide to healthcare professionals.2nd Edition, 2018, p.42.